研究結果報告書

研究報告書4・登録済み未使用車について

①登録済み未使用車の発生理由

「登録済み未使用車」というクルマがあることをご存知でしょうか?買い手のいない新車を販売店名義で登録したクルマです。一度でも登録されれば「中古車」として分類されます。なぜ、わざわざ新車を中古車にしてしまうのか?というと、平たく言えば登録台数を伸ばすためです。新車メーカーと販売会社の間で取り決められたルールがあり、ある台数まで登録すれば破格の奨励金がもらえます。販売会社の規模によってまちまちですが、当時私が勤めていた販売会社では一回の施策で2~3000万円ぐらいもらえていたと聞きました。あと数十台で目標に届くとなれば、普通やるでしょ?新車より価値は下がるけど価格がゼロになるわけではありません。極上中古車として販売できるし、試乗車としても利用できます。実はこの度、お客様から代行落札を依頼され「ダイハツムーブカスタム」を販売させていただくことになりました。私は新車販売会社にいた頃「登録済み未使用車を買うなら、もう少し頑張って新車にした方が良いだろう。」と考えていましたので登録済み未使用車には関心がありませんでした。しかし、今回の件で認識を改めざるを得ないこととなりましたのでご報告致します。(ムーブカスタムのオーナー様には、ホームページに掲載する許可を得ております。)

②評価点S点

オークション会場の出品票には必ず評価点が付きます。S点・6点・5点・4.5点・4点・3.5点・3点・2点・1点・R点等です。R点は事故車、修復歴車、エンジン不良、などのクルマを言います。反対にS点が最高レベルで、今回のムーブカスタムはS点でした。走行距離6kmだし。ムーブカスタムの相場を調べ、陸送費用・落札手数料など総支払予想額を算出し、お客様のゴーサインを貰ってオークションで落札しました。6kmという距離から試乗車として使用していたことは無いでしょうし、運転席ドアの下にステップを保護する青いテープが張ってあるところを見ると中古車として売ってたわけでもなさそうです。検査員記入欄には「ステレオレス穴・フロアマットなし」の表記。ほぼ間違いなく登録済み未使用車、通称「マル販車」ですね。

③選ぶなら登録済み未使用車でも「展示車」じゃないクルマがオススメ!

登録済み未使用車と言っても様々です。ショールームに飾ってあったクルマ、展示場に飾っていたクルマなど。本当に状態の良いクルマが欲しいなら、純粋な「マル販車」を選びましょう。試乗車は登録して試乗に使ってますから「未使用車」ではありません。ご注意ください。なぜ飾ってあったクルマじゃダメなのかと申しますとショールームに飾ってあったクルマの場合、多くのお客様に見て・触れて・確かめてもらうことが目的です。多少なりとも汚れたり、軽微な傷などもつきます。店内ということでお客様が連れてきたお子様たちの遊び道具になることも…。じゃあ、その分値段が下がるかといえば年式と走行距離は変わりませんので、よほど大きな傷でもなければ当然値段は同じです。では、外の展示場にあったクルマは?といえば確かにショールームに飾ってあったクルマと比べ、触れられる頻度は下がると思います。しかし屋外とあっては雨も当たればホコリもつきます。洗車の頻度が上がるんですね。自動洗車機を使わずに手洗いで。と言っても、やっぱり洗車は細かい傷の原因になります。もちろん気にしなくても良いレベルではありますが、どうせ同じ値段なら誰も触らなかったクルマの方が気分的にいいですよね。見分け方は「保護テープ」が一番簡単です。ボディーに保護テープを貼ったまま展示車として飾っているお店はありません。

④登録済み未使用車の外装状態

登録済み未使用車は登録してから一定の期間が経っているので、水垢やホコリなどが付着し汚れています。でも、これは新車も同じ。新車だって登録の直前に生産しているわけではありませんので、一定期間どこかに放置されています。放置期間はタイミング次第でしょうが、私が知る最長記録は3年でした。もっと短いクルマもあるでしょうし、更に長い期間放置されているクルマもあるでしょう。それを販売したお店がキレイに洗って新車として販売しているので、登録済み未使用車の外装程度は新車と同等と言えます。「後に新車として買った人のクルマより、製造年月日は登録済み未使用車のほうが新しかった。」ということもあるかもしれません。「せっかく新車を買うんだから、新鮮なクルマがいい。」という方はメーカーオプションを付けると出来立てのクルマになる可能性が高くなります。嫌がられますが。売れ筋の車種、グレード、装備、車体色のクルマを販売会社は在庫として仕入れますので、あまり他人が付けないオプションを付けると販売会社の在庫から外れます。ただし、販売会社も全国ネットで繋がってます。他県の販売会社に在庫がある場合は、そのクルマとなります。販売会社としては自社の古い在庫から販売していきたいので、自社在庫のクルマを「特選車」や「店長おすすめ車」として特別値引きを設定し売れやすくしています。知ってました?

⑤未使用車の納車準備

普通の中古車だと前オーナーが使ってましたので、だいたいの装備が揃っています。フロアカーペットやドアバイザー、オーディオまたはカーナビ、運が良ければリモコンエンジンスターターやスタッドレスタイヤがある場合も。ETCなんかもそのまま付いていることが多くなりました。(それを使用する時はETC再セットアップをお忘れなく。)しかし、未使用車となれば登録しただけで誰も使ってませんので工場出荷状態のままです。そこで装備品を付けていくことになります。今回のお客様はカーナビを付けることになりました。TVはフルセグを希望されました。あとはフロアカーペット。ちなみに今回のムーブカスタムの場合「ナビアップグレードパック」付車なのでステアリングスイッチとバックカメラが既についております。余談ですが新車注文書でオプションを付ける場合、支払いが現金払いなら止めておいた方がお得です。新車注文書でオプションを計上するとオプション価格に取得税が掛かります。フロアカーペットなど簡単に取り外せるものには掛かりませんが、ねじ止めされているようなカーナビやリモコンエンジンスターター、ETCなどは注文書ではなく、後から別で注文したほうが賢いですよ。

⑥お得感は?新車と比べてどうなのよ?

今回のムーブカスタム、正式には「ダイハツ ムーブカスタム X ハイパーSA(スマートアシストの略)Ⅱ 4WD」と言います。車体色は特別塗装なので新車時には21,600円高くなります。そこにカーナビとフロアカーペットをお付けして、希望ナンバー手数料、会場手数料、登録手数料、代行落札手数料、陸送費を含めた総額は約165万円でした。直接販売店へ聞きに行くのも気が引けるのでダイハツさんの公式ホームページでオンライン見積してみました。マイナーチェンジ後なので一概にピッタリした比較とは言えませんが、同等のグレードである「ダイハツ ムーブカスタム Xリミテッド SAⅢ 4WD 車体色パールホワイトⅢ」に装備はフルセグナビ(純正)フロアカーペット(純正)を付けて見積書を作ると約190万円になりました。その差約25万円ですが、こちらは車検が11カ月短くなります。しかし、軽自動車の車検費用は6~7万円程度です。受けてしまえば車検が2年延びますので、逆に新車で買うより13カ月長くなります。「自分はまっさらの新車じゃなきゃイヤだ!」という方でなければ、断然アリです。ただし新車を買う方を否定するつもりは全くございません。新車には新車の魅力があります。選ぶのは貴方です。

⑦今回の成功を分析

今回の「登録済み未使用車落札」は成功だと言えます。その理由は「お客様が喜んでくださっている。」これに尽きます。では、なぜ成功できたか分析してみました。まずは、車種が明確に絞られていた事。今回のお客様が最初に訪ねてこられた時、希望車種はホンダN-WGNでした。カーセンサーかグーネットを見て画面プリントしたものをお持ちになってました。その後、お客様は実際にホンダ販売店へ試乗に行き、ダイハツ販売店にも試乗に行ってムーブカスタムが気に入られたそうです。車種が決まっていると私も見つけやすいです。次に会場が近かった事。今回のオークション会場はTAA(トヨタオートオークション)東北会場でした。福島県郡山市にあります。陸送費が安く済みました。次に予算が適正であった事。私は相談に来られた方に希望車種の落札相場をお見せします。だいたい同じ金額ですが多少の高低差があります。どこを基準に考えるかと言えば「最高価格より少し下」が正解です。最安値を見てしまえば「自分もこの価格で買いたい!」と思うのは当然ですが、目的のクルマを手にするには最高価格より若干低い価格を入札限度にした方が成功率が上がります。今回のお客様の入札限度額は135万円でした。結果は128.7万円で落札致しました。その時見ていた相場表は最低価格が124万円、最高価格が138万円、平均価格は128万円でした。もしも平均価格で設定していたら7,000円差でセリ負けしてました。入札は熱くなってもいけませんが、ケチっていても買えません。今回のお客様はオークション向きの方でした。あとは何と言っても購入動機。息子さんがご結婚され、お嫁さんのおクルマの走行距離も25万キロで限界だったので、奥様のおクルマを買い替えてお嫁さんに譲るということでした。本当はご自分のクルマをクラウンアスリートにしたかったそうです。ゆくゆく私が最高のクラウンアスリートを仕留めて参ります!

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