研究結果報告書

研究報告書7・一年前に磨いたクルマを磨く!

①思い入れ。

全ては、このクルマから始まりました。「ミニクーパーSデザイナーズチョイス」です。何を隠そうこのミニクーパーSは、日本中古車研究所の仕入れ第一段グループなんです。個人的に欲しくて買いました。あとのクルマは全てご成約頂きましたが、このクルマだけ売れ残りました。この度オープン一周年を記念して、起業当時の磨き技術と今の技術を比べてみることにしました。もちろん当時の私なりに、納得するまでキレイにして飾ってました。見に来てくださったお客様の評判も上々。しかし当時の私の力では「これは仕方ない。」として、諦めていた部分が多少あったのも事実です。今こそ一年かけて身に付けた磨き術の集大成をこのクーパーSに試したいと思います。このクルマを見たいと多くのお客様が立ち寄って下さり、結果として販売にも結び付いております。その貢献を讃えてクーパーSをピカピカに致します!

②植物の力。

写真はルーフの拡大写真です。無数のシミが確認頂けると思います。これは木や草などから放出された「何か」がもたらしたものです。種や落ち葉、樹液などだと思います。付着しても一週間以内くらいで洗車すれば問題ありませんが、半月~一月くらい放置すると普通の洗車では落ちなくなる場合があります。白いクルマだと発見が早いのですが、黒や紺などの濃色系だとパッと見では分かりません。なのでウチでは雨が降ろうが降るまいが、汚れていようがいまいが週に一度洗車しています。夏場など車内が高温になるのを防ぐため、木の下にクルマを停めている方を見かけますが注意してください。その他黄砂や花粉、虫の死骸や鳥のフンなどでも同様の事が起きる場合がありますので、愛車のお手入れはコマメに実施しましょう!

③洗車の目的。

磨く前には洗車します。汚れを落とすためでもありますが、磨き前の洗車は塗装表面の状態を見るためでもあります。下処理をおろそかにするとポリッシャー(磨く機械)の工程でガッカリします。洗車しながら磨きの工程を考えていきます。程度のひどいモノほど強力な研磨を行い、徐々に優しい研磨作業に移行します。程度が良ければ最初から優しい研磨作業でも充分です。各工程を進めていく時に注意しなければならないのは「各工程をおろそかにしないこと。」です。最初からキレイにしようと考えず、必要な工程をキッチリ行う事が大切です。強い研磨の工程は、粗削りです。傷を目立たなくするというより「ボディ全面に傷を入れる」という作業になります。始める前よりも全体的に曇った状態になります。ここをおろそかにすると、最終工程まで行ってもおろそかなまま仕上がります。一年前までは初歩的な研磨の技術しかなかったので、クーパーSの仕上がりは「雨染みや線傷が残りつつ、無傷だった部分だけがキレイになった。」という仕上がりでした。今にして思えばですけど。当時は私も「うわー。キレイになったな~!」と納得の上で展示してました。お恥ずかしい限りです。

④傷の確認。

全体を見て、どの部分をどの作業で磨くか決めます。完全にクリア層を超えてるものは深追いしないことにしています。何度も失敗を繰り返して、そう考えるに至りました。回転工具は便利な分、一瞬のミスで決まってしまう事があります。後悔先に立たずです。写真はピンボケしてますがリヤバンパーの写真です。上面の線傷は充分消せますが角(映りこんだ自転車のタイヤ付近をご覧ください。)の部分の縦傷はムリと判断しました。あとは飛び石なんかで塗装が欠けちゃってるとこもムリです。

⑤雨の力。

濃色は雨染みが目立ちます。特にコーティング施工車は雨染みが多いです。輸入車は国産車と比べ大切にお使いになる方が多いので、コーティング施工率が高いように感じられます。クーパーSもコーティング施工車でした。とても大切に使われていたことが、こうした施工記録や点検記録簿、車内の様子などで分かります。写真はウォッシャーノズルの左側です。ピンボケしてます。屋内で黒いクルマの撮影は難しいです。ノズルの接地面にたまっている石灰?のようなものが前から気に入らなかったので、この機会にサヨナラします。ボンネット全体に雨染みがあります。これも除去して参ります。

⑥マスキング。

磨き工程でポリッシャーを使うところを想像しながら当てたくないけど当たりそうなところや、あとあと飛び散ったコンパウンドの掃除が面倒そうなところ、外した方が効率のよさそうなところを外したりマスキングテープなどで覆っていきます。今回はウォッシャーノズルとワイパーアーム、カウルトップを外しました。それとナンバー取り付け部分の土台も。この作業もおろそかにすると、ポリッシャーが一瞬で失敗に導いてくれます。

⑦磨き開始!

まだ粗削りの段階です。左フロントフェンダーからフード、フロントバンパー、右フロントフェンダーまで作業しました。写真だと分からないと思いますが最初よりも曇った感じです。ちょっとガッカリしますが、キレイにするためには必要な工程です。

⑧雨染み除去完了。

ドアパネル上部です。ここには以前、ウロコのように雨染みが沢山ありました。このミニクーパーSの車体色ですが、正式名称は「アストロブラック」と言います。磨いてみると青みが増したような感じになります。これが本来の塗色です。アストロブラック。どんな意味ですかね?

⑨鏡面仕上げ。

最終工程を終えたドアパネルです。黒いクルマだと太陽の下で見ると「オーロラマーク」と呼ばれるギラギラした磨き傷が残ります。プロの磨き屋さんなどは、オーロラマークを消す技術を持っています。この度私も研究の甲斐ありまして、オーロラマークを消す技術を習得しました。まるで鏡のように色鮮やかに映り込んでいます。私が会社員だった頃、あるベテランの営業マンがいました。その方はあまりガツガツしたタイプではなく、出世欲がなくてキッチリしたことが苦手で、どっか抜けてるようないわゆる「憎めないタイプ」の方でした。店舗の整備部門を任されていた私は、仕事を終え帰宅しようと工場を通ったら、その営業マンが売った中古車を汗だくで磨いていました。と言っても営業マンですから、それなりの洗車やワックス掛けです。しかし、Yシャツの袖をまくり、流れる汗をタオルで拭い、出来るだけキレイにしようと作業する姿は「カッコイイ。」と思いました。その時に営業マンが得意げに言ったのが「オレが売った中古車は、新車よりもキレイなんだ!(笑)」思わず「そうだね!(笑)」と返しました。今でも納車準備をする度に、この事を思い出します。

⑩一年間の集大成!

完成しました!今持っている技術を全てつぎ込んで。自分の中では最高傑作となりました。来年になればまた不満が出てくるかもしれませんが(笑)。普通これだけ在庫期間が長いクルマはオークションで売却してしまうのですが、冒頭に申し上げた通り未だに引き合いが多く「ミニが置いてあるお店」として覚えて下さっているお客様もおります。集客力が高いクルマでもある為、オークションに流すつもりはございません。おそらく売ってもまた第一世代のミニを仕入れるでしょうし。やっぱりクルマのスタイルは重要ですので、第一世代ミニに魅力を感じます。見ると引き込まれるような不思議な魅力があるクルマです。故障診断機も入手したので、輸入車の故障に対応できるという事もあり、ゆくゆくは趣味のクルマとして自分で持っても良いかと考えてます。

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