研究結果報告書

研究結果報告書12・ロータリーエンジンについて思う事

①ロータリーエンジンて、人気あるのね…。

展示場に色モノが無かったので、赤いクルマを仕入れようと考えました。そしてRX-8を購入しました。1台目は商品化している時に遊びに来たお客様からご成約頂きました。「展示日数ゼロ日販売」です。嬉しい反面、展示場は相変わらず黒白のクルマばかりです。そこで、もう一度赤いRX-8を仕入れました。こちらは商品化が終わり、展示して4日目にインターネットで見たというお客様からご成約頂きました。ロータリーエンジンは構造上どうしても燃費が悪く、各メーカーが低燃費を競い合うこの時代には不利とされ、惜しくも消えたエンジンだと思ってました。しかしながら、これほどのニーズがあるロータリーエンジンとはどのような魅力があるのでしょうか。試乗して感じたことや、所有して思った事をご報告いたします。

②取り扱い注意

1台目のRX-8に付いてきたDVDです。ちなみに未開封でした。タイトルは「ロータリーエンジンの扱い方」のような事が書かれていたと思います。開封して観てみました。ロータリーエンジンの仕組みなどが冒頭で流れ「エンジンオイルが減ってきたら補充して下さいね。」とか「暖機運転が終わるまでは、あんまり回さないでね。」とか「エンジンを掛ける時、アクセルペダルは踏まないでね。」とか「もし、プラグがカブったらこうしてね。」とかいった内容でした。ちょっと聞くと「なんて不便なクルマだ。」とも思いますが、優等生ばかりの日本車勢の中で、これほど自己主張の強いクルマがあるとは。RX-8は私にとって「魅力的」に感じました。

③ロータリーエンジンに否定的だった以前の私。

「市販していいレベルじゃないでしょう(笑)」。平成5~6年ごろ、私は整備士資格を取るべく勉強していく中で「ロータリーエンジン」について学びました。理論上は確かに効率の良いエンジンです。レシプロエンジン(普通のエンジン)と比較して考えてみても目から鱗の構造です。しかし、その構造上エンジン内部のシール類がすり減ってしまい10万キロごとにシール類を交換しなければならないのだそうです。つまりエンジンオーバーホール。エンジンを降ろし、分解して洗浄。悪い部品を交換して組み上げ、また載せる。エンジンはレシプロエンジンと比べて小さいエンジンですが、素人が手を出せる事ではないです。プロでもマツダのディーラーか、専門に修業を積んだ業者でなければ成せない技です。「有り得ない。」これが当時の私の考えでした。

④RX-8を仕入れた理由

ロータリー否定主義者だった私が何故RX-8を仕入れたかと言えば、やはりお客様から教えて頂いたRX-8の感想です。今は私からご購入頂いたフェアレディZにお乗りですが、以前はRX-8に乗っていたそうです。「楽しいクルマでしたよ。」との事。仕入れるにあたって一番の心配は「故障の多さ」でしたのでお客様に聞いてみました。「そんなに壊れないですよ。使い方を間違えなければ。」と言われてました。一番ポピュラーなのはプラグかぶりだそうで、後期型では少しマシになったものの「ロータリーエンジンでチョイノリの繰り返しはマズいですよ。」と教えて頂きました。展示替えや洗車で敷地内をチョイチョイ動かす中古車には厳しい環境となります。なので車検有効期限が残っている物に限定して仕入れました。カブりそうになったら乗ってくればいいし。

⑤試乗してみました。パートⅠ

試乗した最初の印象は「思ってたほど速くない。」でした。と、いうのもロータリーエンジンを良く知らないで乗ったからです。レシプロエンジン感覚で5~6000rpmで加速し、回しても7000rpm手前まででアクセルを戻してました。レシプロエンジンなら充分な回し方だし、クルマによっては制御されて7000rpmまで回らない場合もありますし。車重はS13シルビアと同等で、馬力は250㎰。S13シルビアは205㎰だったから、それ以上には速いだろう。と思ってました。「なんだ。シルビアの方が速い気がする。ターボとノンターボの違いかしら。」これが最初の感想です。後で試乗しなおしてロータリーエンジンの凄さを知ります。未だに根強いファンを持つロータリーの力は、こんなものじゃありませんでした。

⑥試乗してみました。パートⅡ

RX-8の試乗も終わり、問題ないことを確かめると商品化に移りました。室内清掃やヘッドライトの黄ばみ落とし、外装磨きなどしているうちに段々エンジンの吹け上がりが悪くなってきました。プラグがカブりやすい事は知っていたので、長めにエンジンを掛けてからスイッチを切ってたのですがブスブスいってます。「仕方ない。乗ってくるか。」と試乗の前にネットでロータリーのプラグかぶりについて調べました。沢山の情報が出てきまして、まず最初に「ロータリーエンジンは暖機運転してはイケない。」という事が書かれてました。「ダメじゃん。」今まで気を遣ってやってたことが逆効果だったようです。読み進めていくと「水温が上がるまでは3000rpmまでで徐々にエンジンを温めて行き、水温が上がってきたら10000rpmまで回すのも良いだろう。」との事。「うそ。そんなに回るの⁉」と、とりあえず書いてあったようにエンジンを掛けて直ぐ走り出し、水温計が動き出すのを確認してからアクセルを踏み込みました。軽く7000を突破して10000rpmまで吹け上がりました!その加速ときたらレシプロエンジンなど問題になりません。速度違反になるとイケないので、1速で回しましたが、これが3速だったらと思うと恐ろしいです。7000rpmを超えると別物。という印象に変わりました。更にターボがついたRX-7は、きっと化け物です。あ、それとプラグかぶりは直りました(笑)

⑦中古車店から見たロータリーエンジン

試乗してロータリーエンジンがすっかり気に入りました。これは是非とも復活して欲しいエンジンです。ただ先述した通り、中古車店では展示替えや洗車などで敷地の中をチョコチョコ動かします。なので在庫車として置いておくには条件が厳しいクルマだと言えます。早々にご成約頂けれ良いのですが、長期に在庫しているロータリーエンジンは店側に負担となるでしょう。取り扱いが難しいエンジンですが、非常に価値の高いクルマであることは間違いありません。最初のRX-8をご購入頂いたお客様の叔父さんは、やはりロータリーエンジンが大好きな方で、エンジンを2回載せ替えて今でも乗っているそうです。オーバーホールは時間が掛かるので、リビルト品のようにオーバーホール済みのエンジンを送ってもらい、古いエンジンを送り返して交換する事が出来るそうです。ボディは長い事走り込んで傷んでいるでしょうが、ロータリーエンジンを乗せられる貴重なクルマなので手放せないのでしょう。ロータリーエンジンに否定的だった時は「有り得ない。」と思ってましたが、10万キロごとにバッテリーを交換するEVやPHV&HVを考えると同じ事かもしれません。あとは「どっちに乗りたいと思うか?」です。

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