研究結果報告書

研究結果報告書13・冬の洗車

①クルマ屋の洗車とは

自動車販売店にとって洗車は重要な仕事だと考えます。特に中古車は「一物一価」の名の通り、二つと同じものはありません。私事になりますが、子供の進学先が決まり他県で一人暮らしする事となりました。現地でアパートを数件見てきました。写真ではキレイに見えても実物を見ると、階段や通路はゴミや鳥フンだらけ、外壁はクモの巣だらけ、部屋の中はカビ臭い。でも家賃は相場通り。これでは借りたくありません。アパートと中古車は似ています。いかにキレイな状態で次のオーナー様にお見せできるかが勝負だと思います。洗車も慣れてしまえば、さほど苦になる作業ではありません。しかし春の花粉や、夏の炎天下、秋の落ち葉など四季折々の洗車方法や注意点がございます。今回は冬の洗車について効率の良い作業方法や注意点などを私なりにまとめてみました。

②洗車時の気温

屋外で洗車をする場合、最高気温が10℃を下回った日は避けるのが賢明です。理由は「水滴が拭き取れないから。」です。拭いても拭いても水滴が残る状態になります。ちゃんとした洗車用クロスを使っても、繰り返しボディーを擦るのは良くありません。傷やクスミの原因になります。更に最高気温が5℃を下回る日の洗車は絶対やめましょう。風の強さや曇り具合にもよりますが、水がボディーに掛かった瞬間「凍結」する恐れがあります。こんな日は洗いたくても我慢しましょう。無理に始めても作業を中止することとなります。冬の洗車の最大の敵は「気温」です。なるべく暖かい日の暖かい時間帯を選んで洗車する事をお勧めします。私もその日の最高気温になる時間を選んで洗車してます。

③研究所の洗車方法

画像は凍結したCR-Zのルーフです。今朝、うっすらと雪が積もりました。写真を撮ったのは午後1時頃でしたが研究所は日当たりが悪く、地面の雪は解けても白系のクルマの上に積もった雪は、解けて凍ってを繰り返します。日当たりが悪いという事は、クルマの塗装に与えるダメージが少なくて良いことです。このメリットに比べれば寒さは苦になりません。ウソです。そんなワケありません。誰だって寒いものは寒いし、冷たいのはイヤです。そこで私は色々と工夫を凝らし、冬でも比較的楽に洗車できる方法を編み出しました。設備等の問題もありますので、あまり参考にならないと思いますが最後までお付き合いくださいm(__)m

④まずは強制的に暖める

この日の気温は4℃です。屋内洗車となります。洗車するクルマをガレージに入れたらシャッターを閉めます。そして「コロナ NEW BLUE バーナー」というストーブ(私は業務用ストーブ。と呼んでます。)で室内温度をグングン上げていきます。5℃以上になれば、とりあえず凍結の心配は無くなるので洗車に掛かります。そのまま洗車しているうちに室温は18~20℃まで上がります。ただし業務用ストーブの燃費はおそろしく悪いです。燃料タンク容量は18Lですが、2時間も使うと1/4くらい消費します。なので私は気温が5℃以上あれば洗車は屋外で行い、拭き取り作業のみ屋内で行います。

⑤私が気を付けていること

冬に限らず私は気を付けている事があります。意外かもしれませんが、それは「手荒れ」です。なにかのセミナーで「手が汚い人の話は、相手に伝わりにくい。」と講師の方が言ってました。手荒れのひどい人が書面を差し出したり、大事なポイントを指さしたり、身振り手振りで分かりやすく説明しようとしても、手の方が気になってあまり話が頭に入って来ないという事でした。「そんな事気にすんのかなぁ…。」とも思いましたが、自分の物差しで測りすぎるとロクなことがありません。なので手荒れを防ぐ努力をする事にしました。装着している手袋は医師や看護師の方が使う薄手のゴム手袋です。衛生面を考慮しての商品なのでほとんど防寒になりませんが、手荒れに関しての防衛力は高いと思います。割と安いし。私の場合、衛生面は関係ないので破れるまで繰り返し使います。だいたい左右のどちらかが破れて終わるので、残った方は「タイヤワックス塗布作業用手袋」となります。最後まで無駄なく。エコですね。

⑥作業開始

まずは高圧洗浄機を使い汚れを吹き飛ばします。特にドアハンドルやバイザーの内側、パネルとパネルの隙間、ラジエーターグリルのあみあみ部分など、手洗いが困難な部分を重点的に洗って行きます。そして水圧だけでは落とせない汚れやホコリを、たっぷり水(今の時期はお湯)を含んだスポンジで撫でるように落としていきます。ちなみに高圧洗浄機は洗車で使うなら、そんなに高価な物は必要ありません。購入を考えている方がいれば、リーズナブルなもので十分ですよ。研究所では一日一台ぐらいのペースで展示車の洗車をしておりますが、2回に1回の割合で簡易的なコーティングを塗布しております。今年から新製品の「紫外線吸収剤配合高機能コーティング剤」に切り替えました。仰々しい能書きのコーティング剤ですが、製造メーカーは「一度塗れば2か月は持ちますよっ!」と言っております。もちろん信じてません(´▽`)

⑦拭き取り作業・水切りワイパー編

拭き取りには水切りワイパーとエアダスターを併用します。最後に専用クロス。長年研究した結果、この方法が最も効率が良く仕上がりも良い。という結果になりました。ただし私は、どんどんやり方を変えていくタイプなので、明日もっと良い方法が見つかればすぐに変更します(笑)。なので現時点では「最良」ということになります。水切りワイパーを使ったことがない方は「傷はつかないの?」と思われる方も多いでしょう。正直に申し上げると「傷はつきます。」作業の仕方にもよるでしょうが多少の傷は避けられません。でもこれは、一般的な洗車クロスでもマイクロファイバーでもついてしまう程度の傷なので気にするレベルでもないかと。水切りワイパーの方が楽だし早いし。いよいよとなれば磨けば簡単に消える傷ですし。

⑧拭き取り作業・エアダスター編

ドアミラーやモール類、給油口などは洗車後、いつまでも水が垂れてきます。そのまま乾燥すれば水垢や色褪せの原因にもなるので良いことはありません。しっかりと拭き取りたいものです。そこで私の場合はエアダスターを使用します。もちろん全てを除去できるわけではありませんが、使わないよりは遥かにマシ。垂れてくるたび何度も何度もクロスで拭いているのも効率が悪いし傷にもなります。これもボディー磨きを教えてくれた方から教わったのですがエアダスターの使い方は「上から下へ」と「中央から左右へ」が基本だそうです。また、車種によって水が溜まりやすい部分が異なります。何度か洗車していくうちにクルマの特徴が分かってきます。

⑨拭き取り作業・クロス編

水切りワイパーとエアダスターで極力水分を落とし、クロスでの最終仕上げとなります。私の使っているクロスは一般的なものではありません。ものすごく吸収力の高い厚手のクロスです。拭いているうちに水分を含んできても、分厚すぎてまともに絞る事ができません。ですが水切りワイパー&エアダスターで極力水分を落とした一般的な大きさのクルマなら、一度も絞らず一台分を拭き上げられます。このクロスが通ったあとは水滴が全くありません。強力な吸収力です。冬の洗車で最もキツイ作業は「何度もクロスを絞る事」だと思います。この作業から解放されるだけでも洗車は楽になると思います。このクロスはAmazonなどの通販で3枚セットで安く売ってます。エアダスターや水切りワイパー無しでも3枚使えば一台拭き取れるかもしれません。ぜひお試しください!

⑩拭き取り作業・順序編

私の場合、クルマを水平に三分割して拭き上げます。上段は「ルーフ・窓ガラス・ボンネット(セダンであればトランクリッドも含む)」中段は「ドア全面とフロントグリル、バンパー及びフェンダーの底辺部より上」最後に下段「ステップ全面とバンパー及びフェンダーの底辺部」です。上段から拭いていき、中段まで拭いたらドアを開けドアの内側、バックドアの内側(セダンはトランク)、給油口の内側を拭きます。そして下段をぐるっと一周して最後にホイールを拭きます。ちなみに給油口は普段からキレイにしておかないと、かなり汚れが溜まる場所なので同じクロスでは拭かない方がいいです。

⑪あとかたずけ

高圧洗浄機のホースとガンを水抜きし、洗浄機本体は事務所内にしまって凍結を防ぎます。クロスは一度使ったら洗濯します。毛足が長く砂ぼこりが絡まりやすいので、続けては使わないようにしてます。3枚溜まると洗濯します。専用に洗濯機を買いました。二層式のポータブル洗濯機です。これが非常に便利。脱水も強力で。昨年9月にAmazonでポチりました。1万円しなかったと思います。それまでは手洗いでした。泡切れも悪い上に前述通りとても絞りきれるクロスではありません。フルパワーで絞ってもぐっしょり濡れてて乾かすのに3~4日。ある意味では洗車よりも大変でした。こうした苦労をすると、やはり道具を大切に使うというのは大事なことだと思います。そういった意味でも「あとかたずけ」は重要です。

⑫ガレージを造る場合

ガレージは若干の勾配を付けて水が外に流れるよう設計しております。ですが、良く考えたらそのまま流れると前の歩道が水びたしになってしまいます。1台の洗車くらいなら歩道まで水が行くこともないのですが、2台も洗うと確実に歩道まで浸水します。これは近所迷惑。凍ったら危ないですし。クルマが好きで今後ガレージを造るという方が居れば、排水の事も考慮され建設する事をお勧めします。おそらく洗車はするようになると思いますし。工場内の側溝のような大掛かりなものでなくても「ちょっとした溝で排水溝まで持っていく。」という感じで良いと思います。私はそこまで考えてなかったです。

⑬最後に

洗濯が終わったらクロスが乾ききる前にエアブローしておきます。こうしたほうが早く乾くし、乾いたら柔らかく仕上がるのでボディーにも優しいかと。展示車は通常走行しているクルマと違い、あまり汚れることはありません。特に冬場は空気もキレイですから春夏秋と比べれば、洗車の頻度は下げても良いかもしれません。それでも毎日洗車をする理由はアパートと同じで「お客様がご覧になった時キレイだと売れやすい。」というのもありますが、私の性格上「展示場に汚れたクルマを置いておきたくない。」というのが一番の理由です。縁あってここに展示することとなったクルマですから、大切に扱うようにしたいと思います。

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